現在日本はデフレを脱却できるか否かと議論されている状況にあります。
単純にデフレを物価の下落、インフレを物価の上昇と定義すれば、日本がデフレ状態になったのは21世紀からで、長期的には日本は直近の10年を除き戦後一貫してインフレ基調で推移してきました。

現在の物価水準を100%として比較した場合、1960年の物価水準は現在の約20%、1970年では33%、狂乱物価後の1980年では80%、1990年では90%、2000年では103%、それ以後は周知のとおりデフレで物価は下がっています。
名目GDPの時系列を比較すると現在の約500兆を100%とすると1960年は3.2%、ピークだった1997年が103%です。
GDPデフレーターは消費者物価だけで決まるわけではありませんが、実質的に日本の国がどれだけ急速に豊かになったか分かります。

単純に考えると実質GDPの上昇は日本の生産性が向上したと言う事であり、とくに食の生産性が向上したということです。
それを示す指標がエンゲル係数と呼ばれる指標で所得に占める食への支出の比率です。
このエンゲル係数は1960年には約40%で収入の半分近くを食に費やしていました。
これが現在では23%程度です。
豊かになると質の高い食を求め比較的高い食材を選好したり外食志向が増えますので物価の変動やGDPの変化と比較すると変化の幅は小さいですが、この係数の比較からも日本国民が戦後どれだけ豊かになったかわかります。

今年(2015年)、円安による食料輸入物価の上昇や消費税増税の便乗値上げの影響でエンゲル係数がわずかに上がったというショッキングなニュースが流れました。
このため消費者態度指数は大幅に悪化、食の物価の変動は他の工業製品の物価の変動と比較しても経済に大きな影響を与えます。
政府には食の物価を安定させこれまでと比較しても豊かな生活が持続できる経済を実現する政策を行ってほしいものです。